営業という職に負のイメージや苦手意識を持つ人がいる。しかし、営業こそがあらゆるビジネスを推進する原動力である。強引に売り込む者が勝ち、というような古い偏見を払しょくし、営業の真の価値を認識する方法とは? 大学でコミュニケーション学と修辞学を修めた新卒当時の私にとって、ビジネス界はきわめて複雑な世界に映った。自分に向いた職種が何なのかわからず、さまざまな選択肢を模索した。友人の多くからは営業職を勧められたが、私は懐疑的だった。キャリアの始まりを前に私が強く望んでいたのは、尊敬と信頼を得ることだったが、営業ではそれがかなわないと思ったのだ。加えて、何かを売るという行為に魅力を感じることができなかった。 やがて、当時「ビッグ6」と呼ばれた監査法人の1つでパートナーによる面接を受けた。彼は「社内で最も大切な資産である“人”を強化する仕事」について話してくれた。 私はこれぞ自分がやりたい仕事だと思い