「年間生産能力18万台で“投資の階段”にぶつかる。残念ながら、日本でこれ以上は増産できないだろう」 北米などで小型車「インプレッサ」が大ヒットし、販売が絶好調の富士重工業。9月19日、主力工場である群馬製作所本工場(群馬県太田市)の生産能力を来夏に18万台まで引き上げると発表した。だが、群馬製作所長の笠井雅博・常務執行役員の表情はどこか寂しげだった。「これ以上増産するには、塗装工程で大規模な設備投資が必要となる。円高が収まる兆しがない中、普通に考えれば次に増産するのは北米工場となるだろう」と続けた。 本工場は今年3月に半世紀続いた軽自動車の生産を打ち切り、代わりにスポーツカー「BRZ」とトヨタ自動車の同「86」の生産を開始。当初は年産10万台の計画だったが、インプレッサの生産が近隣の矢島工場(同)だけでは間に合わず、8月のインプレッサ生産開始に合わせて本工場の年産能力を15万台に引き上げた