米ニューヨーク大学が中心となり結成された国際研究チームが、生物学史上初となる酵母の人工合成に成功した。これは、生命の設計図である遺伝情報を含む染色体を人為的に設計し生きた酵母の染色体と入れ替え、自然界には存在しない「新たな酵母」を作り上げるというもので、過去、細菌では成功例があるものの、ヒトと同じ「真核生物」に分類される酵母では初めてだという。 合成生物学は近年、大変注目されている分野で、科学者たちは菌の染色体やウイルスのDNAを作ってきた。しかし、1から創られた完全な真核生物の染色体を作り上げたのは今回が初めてだ。 研究チームは、酵母の遺伝情報をもとに、コンピューターを使って、生命活動に不要とされる部分を削除し、別の遺伝子情報を追加するなどして、新たな染色体「syn Ⅲ」を合成した。次にそれを生きているビール酵母の染色体と入れ替えた。画期的なことは、それが生きてる自然の酵母と融合したこと