要旨 理化学研究所(理研)理論科学研究推進グループ階層縦断型基礎物理学研究チームの瀧雅人研究員と東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センターの雨宮智宏助教と荒井滋久教授らとの共同研究チームは、非対称な光学迷彩を設計する理論を構築しました。 光学迷彩は、光を自在に曲げる装置を設計、開発することで、物体や人を光学的に見えなくする技術です。これまで様々な理論的提唱や実験的な確認がなされてきました。しかし、光学迷彩装置は向かってくる光を迂回させることで、装置自体を見えなくしています。したがって、装置内に入射する光がなく、装置内からは外部を見ることができませんでした。このように、これまでの原理では外部からも内部からも見えないという“対称的”な振る舞いを示す光学迷彩装置しか作ることができませんでした。そこで共同研究チームは、光に仮想的にクーロン力[1]とローレンツ力[2]を働かせる光学迷彩装置を提