銅版画を主体にコラージュで作品をつくりあげる入江明日香さん。彼女が生み出す美しい色彩のタブローを見ると、銅版画のもつ表現力のすごさを改めて知らされる思いがする。作品の画面の中には静かに生命力をたたえる動・植物が見え隠れし、ときにそれは浮かび上がり、ときに解け合う。そうした作品たちの様子が、とても刺激的だった。 ●今回で4回目の個展となりましたが、毎回、変化がみられますよね。例えば、以前はもっと抽象的だったのが、モチーフがすごくはっきり出てきたり、色彩もずいぶん違ってきています。 入江:確かに、だんだん形がはっきりしてきたと思います。植物も動物も、細かくリアルに描くようになってきました。それと、色彩。色彩はだいぶ変わりました。これまでは原色と蛍光色のピンクとかオレンジといった明るい色を中心に使っていたのですが、今年からは日本古来の色彩である萌黄色や二藍、紺青といった色を使うようになって、自分