毎日新聞のインタビューで当面の増税凍結を訴えるクリストファー・シムズ米プリンストン大教授=東京都国立市で1月30日、小倉祥徳撮影 クリストファー・シムズ氏 政府関係者の注目を集める ノーベル経済学賞受賞者で米プリンストン大教授のクリストファー・シムズ氏の経済理論が、政府関係者の注目を集めている。増税や財政再建目標を凍結することがデフレ脱却につながるとの主張で、一橋大などの招きで来日し、日銀などで講演会を行った。背景には日銀の大規模金融緩和が手詰まりに陥っていることがある。専門家からは、大規模な財政出動や財政健全化目標の棚上げを正当化する口実になりかねないと危惧する声も出ている。 シムズ氏が提唱する「物価水準の財政理論」は、デフレやインフレは金融政策ではなく、財政政策が決めるとの主張だ。政府が将来の増税などを否定すれば、国民は「政府が借金を返済するにはインフレにしてお金の価値を下げ、実質的に