哲学者ソクラテスは、あるとき、アテネの街を歩いていて、いきなり暴漢にこん棒で殴りかかられました。 ソクラテスは、痛みにうずくまりましたが、すぐに立ち上がって、また平然と歩きはじめました。 それを見ていた人たちが、「あんなひどい目にあわされて、なぜやり返さないのか」と尋ねたところ、ソクラテスはこう答えました。 「ロバが暴れて君たちを蹴ったとき、君たちはロバを蹴り返すのかね」 ソクラテスは、けっして弱虫というわけではなく、本当の意味での「強い人」なのでしょう。 聖人ソクラテスのような寛容さを身につけることは、なかなか難しいことですが、私たちも少しは見習いたいものです。 私たちは、相手に悪意がなくても、「なんて気が利かない奴だ」「なぜ私の気持ちを理解してくれないのか」などと、自分から怒りの種を見つけ出しては、腹を立ててしまいがちです。 ある男性は、彼女がデートで食事をおごってもらうのを