ながら観ではあるが、この1週間ほどで『とんがり帽子のメモル』を全話観直した。意外なくらい本放映当時と印象は変わらない。作品の世界観、ビジュアルは素晴らしく、個々のエピソードにも傑作は多い。当時面白いと思った話は、今観ても面白い。ではあるが、シリーズ後半はグタグタになっていった。後半も、各エピソードや、個々のシーンでいいところはあるが、失速しているのは間違いない。 失速した理由はいくつか考えられるが、今回ひとつ気がついた事がある。『とんがり帽子のメモル』という作品は、25話「二人を結ぶ風の手紙」で描くべき事を描き切ってしまったのではないか。病弱で内にこもりがちだったマリエルが、メモルと出会い、2人で色々な経験をするうちに元気になり、生きる事にも前向きになっていく。『とんがり帽子のメモル』前半は、マリエルとメモルの関係性と、それによるマリエルの変化を描いていた(ある理由があって「成長」という言