電子書籍時代に対応した著作権や出版権のあり方を検討するため、大手出版社、作家、超党派の国会議員で作る「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」(座長=中川正春防災相)が、「出版物原版権」という新たな権利の創設を目指すことで合意した。 電子書籍の違法コピーに対し、出版社は訴訟を起こすことができないなどの不備を改め、普及を促すことが目的だ。 電子書籍は一瞬で大量にコピーすることができるため、いわゆる「海賊版」が横行しやすい。しかし、著作権法が認める出版社の出版権は電子書籍を想定しておらず、違法コピーが出回っても著作権者である作家が自ら訴訟を起こすしかないのが現状だ。 新たに創設を目指す「出版物原版権」は、作家の著作権を100%保護したうえで、紙の本や電子書籍という形に加工した「原版」に対する権利を、追加的に出版社に与えるという枠組みをとる。具体的な中身は、原版を〈1〉複製する複製権〈2〉イ