1980年代、「下町のマコちゃん」の愛称で親しまれ、女子バレーボール人気を牽引した益子直美。引退して27年が経ち、記憶が日々薄れるなかでも、現役時代の辛かった経験だけは、未だ夢に見るという。その辛い経験は一方で、現在の彼女を動かす原動力となっている。 私は漫画「アタックNo.1」を見て、バレーボールを始めました。猪熊コーチにガンガンやられて、いじめられて、泣いて「だけど涙が出ちゃう、女の子だもん」って言う鮎原こずえに憧れたんです。だから、耐える、頑張る、根性っていうのは当たり前だと思っていたし、そんな時代でもありました。 高校3年生の時に全日本に選ばれたのですが、当時は全日本の選手は日立に行くのが自然な流れでした。ところが日立の合宿に参加したら、身長が180cmあってもレギュラーになれない選手がいるぐらい選手層が厚くて、レベルも高かったんです。さらに朝6時から、ランニングのタイムトライアル