たしかに「泣ける」は流行っている。が、考えてみると、昔から「お涙頂戴」というぐらいで、そういったモノはあった。 さかのぼって、日本人において「泣ける」とは、過去から未来ずっと廃れることのないジャンルであり、もはや「涙産業」だ。 一方では“歪んだ見方”も。 評論家などの気取った向きは、例えば泣ける映画を、「いかにもだ」「わざとらしい」と蔑み、“下品”との烙印を押す。そして『泣ける≦簡単には泣けない』という図式を「いい映画」かどうかを判断する時の基準として世間に植え付けた。 しかしそれは、年間に何十本も映画を観て、或いは高級な食品(今ならオーガニック)を食べ、しかも、子供の頃からお金を“お高い”「教養」に存分に投資することの出来た人の考えなのである。 実態としての日本人は、映画は一年に観てせいぜい二本、ジャンクフードは食いまくる“公立出”の“EXILEファン”がほとんどだろう。 映