20年近く前のラノベだろ……それを原作にしたアニメを今リメイクして面白いって流石にちょっとヤバいだろ……この10年ぐらいラノベ業界が微塵も進歩してないってことじゃねえか。 つうか最近のラノベ原作アニメの中でもかなり上位の出来じゃん。 本当の本当にラノベ業界の進歩が止まって、いや劣化が始まっているんじゃないのか
![キノの旅が面白くて絶望した](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)
暮継イガノは寂れたアパートの一室のドアをノックして言った。 「いるんでしょ?生物学的お兄ちゃん」 ここで言う〝生物学的〟とは、兄妹間の遺伝的な近縁関係のことではない。イガノのように最初から仮想空間で生まれた生まれながらのソフトウェア知性にとって、挙動を生物学的な概略としてしか記述できない、複雑系である生身の脳を持った兄――暮継李久のことは、そう呼ぶしかないのだ。あるいは、生物学的な制約を課せられた不自由な存在のことを。 ちなみに、〝文系〟という用語も、理系の対義語としての学問分野またはそこに属する人のことではなく、物理系(physical system)の対義語としての文によるシステム(textual system)のことを言っている。イガノ達のような存在は、名付けられることによって環境と分節された領域を持つ文章からなる系なのだ。系内のエネルギーの総量は保存される。 ややあって、扉の向こう
ニイルが初めてテッド・チャンの降臨に遭遇したのは、まだ彼が中学生のときだった。今は閉店してしまった、近所の小さな本屋に顕現したその本が纏う雰囲気は、SF小説とは思えないほど神々しく、宗教的な象徴性に満ちていた。その内容についても、個々の語彙だけを見るとSF的と呼べるものはむしろ少なかった。恒星間航行法も、計算機の中の宇宙も、太平洋上に生物工学産珊瑚によって造成された人工島も、登場しなかった。テッド・チャンが取り上げたモチーフには、ほとんど非科学的と言える要素すら含まれていたが、それらの背後に隠された原理と、それを解明しようとする登場人物達の態度が透徹して科学的だった。テッド・チャンの宇宙は、例えどんな擬人化が施されていても、非人格的で、冷酷で、決して人間を特別扱いしなかった。それまで、〝意志の力〟によって全てがなんとかなる少年漫画しか読んだことが無かったニイルにとって、それらの物語は宇宙と
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