食べ物を車に奪われてよいのか(2007年2月、衆議院調査局報告 見解) 東京大学名誉教授 もったいない学会会長 石井吉徳 (1)「石油ピーク」を理解し、合理的な農業政策を 「石油ピーク」は「農業ピーク」である、先ずこれを理解することである 。いま有限地球で人類の生存基盤がとみに劣化しており、特にエネルギー、水、食料などが懸念される。人類問題、課題は地球温暖化だけではないのである。 日本は温暖な気候に恵まれ水は大丈夫だが、エネルギー、石油のほぼ全量を輸入する。その石油の生産が世界的に需要に追いつかなくなりつつあり、頼りの新規油田の年間発見量は生産の5分の一程度でしかない。そして石油生産量はいまピークを迎えているが、これは「文明ピーク」と言ってもよい。 農業も石油が支える。これを念頭にバイオマス利用を考えないと、国家の計を誤ることになろう。 現代農業を支える肥料、農薬などは石油、天然ガ