昨年、東大の卒業生であり広告大手電通の新入社員の女性が自殺した事件をきっかけに、ブラック企業に関する話題が注目を集めた。企業の労働環境の見直しを求める声が高まる一方、大学の研究環境や労働環境が議論にあがることはあまりない。 理系の学生の間では、ハラスメントが横行する・長時間研究室にいることを強制するといった研究室は「ブラックラボ」と呼ばれる。しかし、何をもって「ブラック」とするかは一概に言えず、個人の主観を排せないため「ブラックラボ」という言葉の存在自体が学生の甘えの発露であるとも批判される。 ブラックラボは果たして実在するのか、それとも都市伝説じみた虚構なのか、この連載を通して調査し、研究室におけるブラックさとは何か考察する。今回は数年前東大の大学院を卒業した方に話を聞いた。 とあるバイオ系の研究室の事例 数年前までバイオ系の研究室に属していたというAさん。Aさんは学部4年のときにその研