県立高校の図書館で、本の選定や紹介などの図書館運営を担当する司書教諭について、「専任化」を求める声が現場の教員から上がっている。課題研究や小論文指導など図書館を使った教育の必要性が高まる中、学習指導できる司書教諭の専任配置はわずか2校。県教委は「人員や財政的に余裕がない」と慎重だが、図書館担当者は「兼務では生徒の要望に応えられない」と生徒のための図書が活用されない現状に危機感を強めている。 県教委によると、県立高校には2009年度、12学級以上の36校に司書教諭を配置したが、専任は北上翔南と不来方の2校。配置義務のない11学級以下の30校は1人もいない。 07年度から専任司書教諭がいる不来方高は、昼休みや放課後に図書室で本を探す生徒の姿が目立つ。「1ページ目から読まなくていいから目次で興味を持ったところを読んでみたら」。司書教諭の松田素子教諭は受験対策の小論文指導や面接向けに本も紹介する。