テロ・紛争解決活動家の永井陽右さんが「共感」の問題点を考察する当連載。第2回のテーマは、「“共感されにくい人”たちを救うためには、どうすればいいのか」。永井さんが出した答えとは――。 【あわせて読みたい】 世界最悪の紛争地から考える「共感」の限界 共感は“万能薬”ではない 18世紀、アダム・スミスは他者の幸福を求めることは人間の本性であり、共感はそれを支える作用を持っていると主張した。また、『共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること』で有名な霊長類行動学者フランス・ドゥ・ヴァールはこの混迷極まる現代社会を良くするには共感こそが鍵であると論じている。 猿にもできるし、赤ちゃんにだって備わっている感性なのだから、という皮肉が込められたヴァールの主張は、近年世界中で支持されてきた。 しかしながら、前回触れたとおり、私は共感がいかにアテにならないかという問題提起をしたい。もう少し正確に言うと、共
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