「これがあれば、3Dテレビはいらないじゃないか」。NHK技術研究所の恒例「技研公開2011」で、来場者は一様に驚きの声を上げた。NHKとシャープが共同開発したスーパーハイビジョン対応85V型液晶ディスプレイは、2D表示専用にもかかわらず、実に自然な立体感を表現していた。日本画質学会副会長を務める“画質の鬼”、麻倉怜士氏に詳しい話を聞いた。 ――今年の技研公開の目玉、85V型のSHV(スーパーハイビジョン)対応液晶ディスプレイは、かなりの驚きでした 麻倉氏:素晴らしい映像でしたね。わたしは記者発表会とプレスプレビューで2回見に行きましたが、周りにいた皆さんが、「もう3Dはいらない。これが3Dでしょ」と言っていましたのが印象的でした。 例えば、東京の高層ビル群を空撮した映像――といってもあまり動いてはいませんでしたが――ビルがニョキニョキと立って、まるでこちらに向かってくるように感じるではあり
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