1994年12月に発売された「プレイステーション(PS))」(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は、家庭用ゲーム機としては初めて累計出荷台数が1億台を超え、世界的なムーブメントを巻き起こした。その仕掛人が久多良木健氏だ。社内を説得し、他社を巻き込み、時代を先取りした技術をベースに市場を生み出した。新しい価値創造をけん引するCTO(最高技術責任者)としての役割を果たしたと言っていいだろう。同氏は「CTO30会議」で「事業創造への挑戦とCTOの役割」と題し、CTOの役割や陥りやすい罠について講演した。その講演を踏まえてCTOのあるべき姿について久多良木氏に聞いた。 ――講演の中で、ソニーの創業者である井深大氏と盛田昭夫氏は、CEO(最高経営責任者)と同時にCTOの役割を担っていたと話されましたが、当時のソニーはどんな企業でしたか。 久多良木 CEOやCTOだけでなく、CMO(最高マ
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