本書を書かれたのは児童精神医学の専門家である。 筆者はこの本の中で非行少年達が 「なぜ非行へと走ってしまったのか」 「どうしたら非行へと走らずにすんだのか」 を延々と考察していくのだが、そこで明らかになる事実は色々と示唆的である。 筆者は多くの非行少年たちと出会う中で「そもそも反省という行為がキチンと行えない」子供が沢山いるという現実に驚かされたのだという。 彼らに少年院にて何度も何度も「こういう事はしてはいけない」「ここはこうすべき所である」というような教育を行っても、まるでヌカに釘のごとく、話した内容が右から左に抜けてしまい、全く頭に入っていかないというのである。 「ひょっとして、この子たちは正しい形で認知機能が働いていないのでは?」 そう思い様々なテストを行った所、やはりどうも認知機能障害があるとしか思えないような結果が次々と出てきたのだという。 これらに加えてIQテストを行ったとこ