フランソワ・トリュフォーがヒッチコックにインタビューした『定本 映画術』は映画好き必携のバイブルとされている。4000円もするバカでかい本だ。学生時代に大枚はたいてヒィヒィ言いながら家に持ち帰り精読したが、全くおもしろくなかった。 映画監督が映画を語っている本よりも、映画評論家が映画を語っている本の方が遥かにおもしろい。 高度に体系化された映画理論が心躍る筆致で綴られているからだと思う。何より、奴らは映画のプロであると同時に文章のプロでもある。たとえ書いていることがデタラメでも、読み物として滅法おもしろいのだ。 そんなわけで、私にとっての映画バイブルを6冊ご紹介。しゃっちょこばったおカタい本は1冊しか出てこないので、どうか安心してほしい。 『映画の見方がわかる本』 町山 智浩 『キネマ旬報』の副編集長とトラブルになり、編集部に乗り込んでパイ投げを行うという事件を起こした『映画秘宝』の創刊者