パールズの『ゲシュタルト療法バーベイティム』(倉戸ヨシヤ監訳、ナカニシヤ出版、2009年)とは、「理論編」と、ワークショップの逐語記録で構成されている本です。 逐語記録では、パールズがゲシュタルト療法のセッションで、実際にどんな関わりをしたのかということが詳しく描かれています。 パールズは、「解釈」や「教育」をするのではなく、「今、ここ」に留まりながら、クライエントに夢を演じてもらったり、再体験してもらったり、あるいは「実験」を提案します。 「夢の意味」は、セラピスト・ファシリテーターの解釈からではなく、「今、ここ」のクライエントの気づきから自然と生まれてくるのです。 『バーベイティム』から、パールズの言葉をいくつか抜き書きしてみますね。 雰囲気がちょっとわかるかもしれません。 「眼を閉じて、“今”の感じに意識を向けてください。今、あなたは何を経験していますか」 「あなたの右手は今、何をし