世界最大の電波望遠鏡(FAST、直径500メートル)が25日、中国南部の貴州省で稼働を始めた。きわめて弱い電波も受信できるため、天体観測や地球外の生命体の探査などが進むと期待されている。国営新華社通信などが伝えた。 報道によると、この望遠鏡は中国語で「天眼」と命名され、構想から二十数年かけて貴州省の山中のくぼ地に完成した。総工費は約12億元(約180億円)。米自治領プエルトリコにあるアレシボ天文台(直径305メートル)を抜き、世界最大となる。137億光年(1光年は約9兆4600億キロ)以上離れた宇宙からの信号も受信できるという。 建設に伴い、周辺の住民約1万人が強制移住させられた。(広州=益満雄一郎)