今回は、近頃SNS上等でも話題になっている自己増殖型mRNAワクチンについてお話ししようと思います。 セントラルドグマはフランシス・クリックが1958年に提唱した分子生物学の概念で、遺伝情報が「DNA → mRNA → タンパク質」の順に伝達されるというものです。本来、RNAからRNAをコピーする仕組みをヒト細胞は持っていません。セントラルドグマには例外が2つ見つかっています。一つはレトロウイルスで見つかった逆転写です。この反応は逆転写酵素によってRNAを鋳型としてDNAを合成 (逆転写) するものです。そして、もう一つの例外がRNAウイルスから見つかったRNA依存性RNA複製です。この仕組みにおいて、RNA依存性RNAポリメラーゼはRNAからRNAを合成します。 RNAウイルスの自己増殖やRNA合成の仕組みを利用すると、ワクチンもウイルスのように体内で増殖させる事が出来ます。言わば、自己
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