おすすめ度 明文堂書店黒部店 (富山県黒部市) 短編4本からなる200P強の薄い文庫。しかし読み応えは凄まじい。特に日本推理協会賞短編部門を受賞した表題作は完璧。警察小説として家族小説としても素晴らしい。すべてに一切の無駄がなく事件解決のトリックに唸らされる。また主人公の娘・菜月の行動の真意には驚愕。その意味でもタイトル通りだと思いながら読み返してしまう。書店員として、この本を売らずして何を売ると言える程の傑作であり読者としてこの本を読まずして何を読むのかと思える程、素晴らしかった。 (2012年1月19日)