平成は日本の企業にとってアウトソーシング(外注化)とオフショアリング(海外化)の時代であったが、とうとうその限界が見えてきたように感じる。 「内製より外注した方が安い」という幻想 製造業の世界では「内製より外注した方がコストが安い」という言葉をよく耳にする。読者の方にもそういった方は多いだろう。しかし本当にそのほうが安いのか。改めて考えるべきであると私は思う。 多くの企業は加工費(主に現業の人件費)だけを持ち出して外注化の方がコストが低いと推進してきたが、実際はどうか。発注や受け入れの業務に加えて進捗管理や伝票の発行など、直接費用低減のためにむしろ間接費用(主にホワイトカラー業務)が増加していることを見逃している。 「外注に出した方が安い」というのは、その多くの場合は単に物を作る作業者の賃金を比べたものにすぎない。しかしそれは現業部門にかかるコストだけが見える化されていることにより「安い」