ハンドル部品やステアリングなど自動車部品会社のユーシン。2013年には仏部品大手ヴァレオの鍵(キー)セット部門を買収するなど、グローバル化を積極的に進めている。2015年11月期の売上高は1600億円を見込んでおり、6期前の2009年11月期に比べて3倍余りに増える。その約8割が海外での売上高が占める。 そんな優等生企業のユーシンだが、最大の課題は次期社長候補を決めきれないことだ。社外から候補を探し続けて10年近くなるが、いまだに適任は見つからないという。81歳の田邊耕二社長は「正直、名案がない」と打ち明ける。 10年近く経っても適任者が見つからない ユーシンの社長後継者選びは2006年にさかのぼる。創業家出身の田邊耕二会長兼社長は当時既に72歳、健康に不安を抱えていたこともあり、後継者選びを本格化した。 まずは投資ファンドのRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)か