「大山鳴動してネズミ一匹」。セール後ろ倒し問題に対して筆者はこんな感想を持っている。正確にいうならネズミ一匹すら出なかったという感じである。三越伊勢丹ホールディングスとJR東日本グループのルミネが、夏冬のセール開始時期が年々、前倒しされることに対して抗議の声を挙げた。これがセール後ろ倒し問題の発端だ。 今冬のセールは商業施設の多くが1月2日から、郊外型ショッピングセンターと一部の都心ファッションビルは1月1日からとなった。一方、三越伊勢丹は1月15日から、ルミネは1月9日からのスタートとなっている。 セール後ろ倒しの宣言が出てからこれまで、業界を挙げての論争がなされた。筆者は三越伊勢丹やルミネが掲げる「産地保護」は単なる方便に過ぎず、偽善ではないかと感じるのでまったく支持する気にはなれない。ただ、ブランドメーカー側からするとプロパー(定価)販売の期間が年々短くなることに対する不満があった。
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