少し前に「自分探し」なんて言葉をよく耳にしましたね。 急に会社を辞めてみたり、旅に出てみたりして「自分探し」をする人もいたようですが、今日紹介するお話は、そういうことではありません。なぜなら、「自分」は常にそこにいるもので、本来は探しになんて行かなくてもいいから。ただ、近すぎて見えないことがあるというだけなのです。 生まれたときの私たちは「ありのままの自分」ですが、大人になっていくにつれて「周囲が期待する自分」との葛藤が起きていきます。小さな子供でも、育つ環境によっては大人の顔色をうかがうようになってしまうこともありますよね。私たちは知らず知らずの間に、「本当の自分」を押し込めてしまうのです。これは必ずしも悪いことではありません。周囲との和を保つために、ある程度は必要な作業ですが、長い間無意識に行っていると、すぐそこにあったはずの「自分」をいつの間にか見失ってしまうのです。 「本当の自分」