妹は同性愛者である。俺がそれを知ったのは、妹が大学を卒業した頃だった。 妹から「会って欲しい人がいる」と言われ、てっきり結婚相手を紹介するのかと思っていたら、いや実際本人にとっては結婚相手も同然の人なのだが、そこに居たのは同年代の女性だった。 母には自分から直接伝えるまで内緒にして欲しいと言われたので、実際にその通りにしていた。 それから1年ほど経過し、妹は意を決してパートナーとともに実家を訪れ、母に告白した。 しかし母は早い時期から事態を把握していた。やはり親というものは何でもお見通しなのだろうか。 「初孫はあんたの子だと思ってたんだけどね…」と、力なく、諦めたようにぼやく母の姿に、むしろ妹とパートナーが揺さぶられたようだった。 俺を含めた四人は、微妙なぎこちなさを払拭できないまま食卓を囲み、その日は解散した。 それからしばらく後、妹のパートナーから二人きりでの相談を持ちかけられた。 パ