電力10社の2014年3月期決算が30日でそろった。停止中の原発の代わりに稼働している火力の燃料費負担が重く、関西や九州など6社の経常損益が赤字だった。原発の再稼働時期が見通せず、北海道電などは「再値上げ」に言及した。東電は、電気料金の値上げによる収入増などで3年ぶりの黒字となった。 各社を苦しめたのは、円安の影響で液化天然ガス(LNG)など火力用の燃料費が大幅に増えたことだ。14年3月期の燃料費は10社で計7兆7310億円となり、前年同期より6515億円増えた。うち9社が過去最高を記録した。 燃料費の負担をカバーしたのは、主に電気料金の値上げだ。値上げした北海道、東北、東京、関西、四国、九州の6社の純損益は、値上げ効果で計2134億円押し上げられた。このうち東電、東北電力は黒字に転じた。