多くの格言は、その内部に同語反復や矛盾を内包している。アメリカンフードがあまりにドライヴミーマッドなので、友達のメッセタイトルについて考えてみるという暇つぶしに没頭することにした。 曰く、「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし。」 言いたいことは明確である。勝ちは偶然にもたらされることもあるが、負ける時には常に原因がある、勝ちを謙虚に受け止め、負けた時はきちんと原因を分析しようということだろう。名将、野村克也監督の言葉として有名(オリジナルは他の人らしいが)である。この言葉を監督から聞いた選手たちはこの言葉を重く受け止め、おそらくはチームにプラスに働いたであろうことを想像しつつも、あえて考えてみたい。勝ちとは負けの対である。こちらのチームが偶然勝ったのだとすれば、当然ながら相手のチームは偶然負けたわけで、原因があるわけではない。またこちらのチームがピッチャーの乱調によって負けたの