京都を舞台にした腐れ大学生シリーズが得意の森見登美彦氏による本格狸小説。 本格狸小説ってなんだ。 京都・糺の森に住む、父を亡くした狸の一家が彼らに降りかかる大小様々な厄介事を家族で力を合わせて乗り越えていくというヒューマンもとい狸ドラマ。 三男で主人公の矢三郎は呑気で、亡き父の「面白きことは良きこと」という教えに従い日々を面白おかしく過ごすことに邁進。 長男・矢一郎は狸界の中心であった亡き父の跡目を継ごうと懸命に奔走する、が融通が利かずどうにも不器用。 次男矢二郎は父を亡くしたことに大きな傷を受け、蛙に化けて井戸に居ついたら元に戻れなくなるも、まぁそれもやむなしと言う程普段は怠け者。 末子の四男矢四郎は気弱でいじめられることも多く、兄達に守ってもらうこともしばしば。 こんなでこぼこな兄弟を中心として、仲の悪い夷川家や狸鍋にせんと目論む金曜倶楽部と大立ち回りを披露します。 狸は虎に化け、天狗