不正防止のため一冊一冊に押印これは、明治時代に近代的な出版制度が整えられていく過程で出来たシステムで、出来上がった本の著者が制作部数を確認するために用紙に印を押し、用紙を貼り付けていました。出版社が著者と取り決めた以上の部数を発行して不正に利益を得ることを防ぐためのものでした。当時の地方では東京などで発行された書籍をコピーした廉価な海賊版が出回ることもあったようで、検印は正規に発行された本の証明でもありました。海賊版はよく売れたらしく、面倒な作業であっても不正販売への対抗措置として必要とみなされていたようです。 とはいえ著者にとっては大変な作業です。建前では著者本人が印を押すことになっていましたが、当然、家族も手伝ったでしょう。出版社の社員が手伝うこともあったそうです。昭和30年前後に徐々に廃止されていったそうですが、100万部、200万部のベストセラーなんてことになったらどれぐらい大変な
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