「このきっぷ、安すぎませんか」 「いやあ、そんなこと言われたの、初めてですよ」 滋賀県の近江鉄道の駅で、駅員さんと交わした言葉だ。「このきっぷ」とは「1デイスマイルチケット」というフリーきっぷだ。近江鉄道の全線が乗り放題で880円。金土日と祝日に販売している。なぜ安いかというと、近江鉄道の米原駅から、最も遠い貴生川駅までの片道運賃が1030円だ。片道切符より安いフリーきっぷで、往復もできる。 私にとって、地方鉄道のフリーきっぷは、最も遠い駅との往復運賃よりちょっと安いくらいが相場という感覚がある。あるいは同額か1割くらい高くてもいい。最長区間に乗って、途中の駅で降りて観光すればモトが取れる。そういう相場感覚だと、「1デイスマイルチケット」は2000円以上の価値はある。近江鉄道のフリーきっぷはおトクすぎる。