超円高が進む中、日系メーカーで突出した業績を上げている日産自動車。EV(電気自動車)の登場や新興国市場の成長など産業構造が変わりつつある中で勝ち抜くための経営戦略を、ゴーン社長が語った。 日産が現在、良い業績を収めているのは、明快な戦略を持っているからだ。市場ごとに明快な戦略を立て、明快な優先順位づけをしている。 新興国を戦略的に攻略 まず中国に2003年に参入し、現地の東風汽車と協力関係を結んだ。今年中国販売台数は120万台に達しており、中期経営計画の終わりには200万台超を目指す。 それからロシアに参入し、サンクトペテルブルクに工場を設立した。仏ルノーとのアライアンスのおかげで、現地のアフトワズとも手を組めた。ルノー、日産、アフトワズで36%の市場占有率を誇っている。 次のインドでは、ルノーとチェンナイ工場を設立した。3年前はたったの100台だったが、今回初めて私どもは4万台をインドで