長引く不況で、大学生の就職戦線は“超氷河期”状態のまま9月の「秋採用」シーズンを迎えた。来春卒業する大卒者の内定率は7月現在7割以下で、10年前の就職氷河期並みに落ち込んだ平成22年度をさらに下回る見通しだ。秋採用とはいえども、大手企業の採用はすでに終了。前年からの就職浪人組も多く、残り少ない求人枠を奪い合う熾烈(しれつ)な戦いとなるのは必至だ。(蕎麦谷里志) 「会社はこんなにいっぱいあるのに…」 東京都内の有名私立大4年の吉田淳子さん(22)=仮名=は乱立する東京・新宿のビル群を見上げ、ため息をついた。冬物のリクルートスーツに容赦なく照りつける太陽が疎ましい。 大学生の就職活動開始時期は早まっており、3年生の10月に始まる。これまで30社以上の面接を受けたが内定はゼロ。「昨年の就職浪人組も多いから今年は厳しくなるよ」。先輩から聞いて覚悟はしていた。しかし、この時期まで汗だくになりながら会