先週末の北京は「やっと春だ!」と叫んでしまうほど気持ちのよい陽気だった。真冬の間にすっかり葉を落とした街路樹に緑が戻ってくるのはもうちょっと先のようだが、すでに青い芽が頭をのぞかしていた。北京名物の綿埃のような柳絮も飛び交い始め、やっとコートを脱ぐことが出来た。とはいえ、調子に乗ると夜間のまだ10度前後の気温に震えることになるのだが。 青空と共にやってきたのは、アメリカのミシェル・オバマ大統領夫人と娘二人、そして彼女の母親のロビンソン夫人だった。彼女が到着するその日にまるでアメリカが大きな空気洗浄機でも送り込んだのではないかと思うほど、懸案のPM2.5の計測値も「ヘルシー」レベルに急低下し、絶好のおでかけ日和となった。そういえば、中国で最初にアメリカ大使館が独自に計測したPM2.5の数値を公開し始めた2008年頃、PM2.5の危害が信じられない人たちが「アメリカが中国を貶めるための陰謀だ」