鈴木 邦男さん 「一水会」顧問 【プロフィール】 私は、子供の時から「生長の家」の教えに触れ、又、高校はミッションだったせいか、ずっと死刑は廃止すべきだと思ってきた。 日本は、そもそも昔、死刑廃止国だった。平安時代、正確には、818年に嵯峨天皇の決断によって廃止されてから1156年までの347年間、死刑は廃止されていた。「殺生はいけない」という仏教の影響もあるし、人を殺したら怨霊がたたるという恐怖もあったのかもしれない。死刑が復活したのは武士の時代になったからだ。人がたたるなんて迷信だ、と武士は考えて合理的・科学的に復活したのだろうが、そうした殺伐とした合理主義より「迷信」に基づいて死刑を廃止していた時代の方が、心豊かで進んでいたように思う。 実は、このことを知ったのは、フランスが死刑を廃止した時の法務大臣であったロベール・バタンテール氏の講演だ。当時フランスは、国民の世論調査では