2009年9月30日のブックマーク (2件)

  • 雨宮処凛・飯田泰之『脱貧困の経済学』

    雨宮処凛・飯田泰之『脱貧困経済学』 左翼はこれにどう答えるかという「テスト」 「あなたのホームページのファンです」という女子高生と何度かゴハンをべているのだが、もちろんそれはウソで、ぼくの出たイベントで知り合った「紙屋研究所のファン」という30代の男性サラリーマンとよくお酒を飲む。 彼(仮にQ氏としておこう)はある意味でリバタリアンである。 できるだけ「自由」にして、働いたら働いただけもうけを得られて、各人がモチベーションを上げていくという経済環境がいいのだ、という考えの持ち主である。 Q氏がすすめてくれたのが、書であった。 Q氏による書推薦の言葉はこうであった。 「雨宮処凛が反貧困運動の現場にいる立場から、実にシロウトくさい経済学的な質問を投げてくるんです。それを飯田っていうリフレ派の若手経済学者が半分同調し、半分批判するみたいなスタンスでわかりやすく答えてるんです」 飯田は、経

  • 【レビュー・書評】印象派はこうして世界を征服した [著]フィリップ・フック - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    印象派はこうして世界を征服した [著]フィリップ・フック[掲載]2009年9月27日[評者]柄谷行人(評論家)■登場の初めから 美術市場が前提 1980年代後半の日に、フランス印象派絵画を買い集めるブームがあった。その中でも有名なのは、一人の日人がゴッホの絵画をオークション史上最高の価格で落札した事件である。それは大昭和製紙の名誉会長であったが、特に世界の美術界を震撼(しんかん)させたのは、「自分が死んだら棺の中にいれて一緒に燃やしてくれ」という彼の発言であった。それはバブル時代の日人の意識を象徴する言葉だといってよい。当時私は、日人はなぜかくも印象派を愛好するのか、と思った覚えがある。印象派の形成において日の浮世絵が貢献したという因縁がある。しかし、そんなことで、このブームを説明することはできない。多くは、脱税や賄賂(わいろ)の手段として買われたのである。 とはいえ、印象派の絵