野田佳彦首相が11月11日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けて関係国と協議に入るとの方針を表明した。オーストラリアにとり歓迎すべき進展である。日本のTPP参加により、GDP比で欧州連合(EU)より約40%大きな規模の地域市場が出来上がる。日本及び関係国は経済成長の面で多大な利益を享受できる。 現在のTPP交渉参加国だけでも、世界の国内総生産(GDP)の4分の1を超える経済規模を既に有している。日本が参加すれば3分の1の規模へと拡大する。さらに、交渉参加に意欲を示すカナダ及びメキシコの参加が実現すれば、TPPの経済規模は世界のGDPの約40%を占めることになる。 TPPが目指すのは、関税など貿易における障壁の撤廃を含む包括的で質の高い21世紀の協定である。域内での貿易障壁の撤廃は、企業による生産活動の効率性を大幅に向上させる。この協定は、今後参加国が増えるにつれ、アジア太平洋地