2011年は日本メーカーにとって試練の年となった。3月の東日本大震災に続き、7月にはタイで3カ月にわたって洪水が続いた。これらの影響を受けて、多くの日本メーカーが工場の稼働を停止したり、部品や材料の調達困難に見舞われたりした。震災だけではない。日本メーカーは「六重苦(円高、法人税、自由貿易協定、派遣禁止、温室効果ガス削減、震災)」ともいわれる厳しい状況を耐えている。中でも、深刻かつ長期化しそうなのが「超円高」の影響だ。 2011年12月19日現在、1米ドル=77.9円。2007年半ばには1米ドル=120円だった。そのときから、1米ドルは2/3以下になった。その分、円が上昇し、輸出重視の日本メーカーは苦しくなった。日本全体の経済や財政状況が芳しいとは言いがたいが、欧州の財政危機や米国の景気回復の遅れがそれ以上に深刻で、消去法的に円が買われているのが大きな原因とみられている。日本政府や日銀の動
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