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2016年6月5日のブックマーク (2件)

  • 現実と違っても数学モデルを信仰してしまう経済学者たち

    現実と違っても数学モデルを信仰してしまう経済学者たち ピグマリオン症 一部の経済学者の自由貿易信仰は、「貿易自由化によって利益を得られる業界とつながっているから」という事のみでは説明できない部分もある。それが話を複雑なものにする。実際、業界関係者から何ら利益を受けていない経済学者であっても、「自由貿易は絶対的に正しい」と吹聴する人はいるのだ。とくにオタク経済学者に多い。 こうした人々が出てくる背景として、新古典派経済学という学問分野の持つ方法論の欠陥が作用しているように思われる。つまり、美しい数学モデルが出来上がると、その数学的な美しさに魅了されて、それを信仰するようになってしまうのである。 モデルと現実は違う。モデルは現実を近似したとしても、決して現実とイコールにはならない。ところが経済学者の中には、複雑奇怪な現実世界の現象よりも、エレガントで優美な数学モデルに恋焦がれて、それが現実で

  • 新古典派経済学とピグマリオン症 - 代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

    批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 前回の記事で、理論と現実を混同する人を「ピグマリオン症」と呼ぶと書きましたが、それについて補足説明します。前の記事でも紹介したIMFの職員たちが典型的な事例なのですが、新古典派経済学を「学んだ人(=洗脳された人)」に、この症状にかかった人が多いのです。 「ピグマリオン症」とは私が大学の教養課程のときに読んだ物理学者のJ・L・シンジの『相対性理論の考え方』(講談社ブルーバックス)というに書いてあった概念です。ギリシア神話には、ピグマリオンが造った象の彫刻があまりにも精巧に出来ていたために、当に生命を持つようになったというエピソードがあります。シンジは、この話しにちなんで、「現実を説明するモデルでしかないものを、現実に存在する実態であるかのように錯覚してしまう人」をピグマリオン症と呼んで

    新古典派経済学とピグマリオン症 - 代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives