記憶の内容の真偽に対する哲学的な議論の横で、とても衝撃的な捏造記憶に関する事件が20世紀の最後に起こった。記憶の有無が政治の世界ではしばしば問題になるが、記憶の真偽とその検証の問題が社会問題として多くの人を巻き込むことになったのである。それを簡単に振り返ってみたい。 心的外傷(psychological trauma、トラウマ)は、外的、内的な要因によって肉体的、また精神的な衝撃を受けたことによって、長い間それにとらわれてしまう状態を指している。トラウマが突如として記憶に蘇り、フラッシュバックするなど特定の症状を呈し、そこに持続的に著しい苦痛が伴えば、それが急性ストレス障害であり、1か月以上の持続によって、心的外傷後ストレス障害(PTSD)となる。心的な衝撃が心の不調の原因になるため、戦争や自然災害、交通事故などの被害者の後遺症PTSDとして研究が進められてきた。 だが、これから述べるトラ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く