海外マンガを読んでいて、日本マンガとはつくづく違うものだなあと感じる部分は多いのですが、やはりその最大のものはページ数です。海外とは違い、数千ページ程度の長編は、日本ではまったくめずらしくありません。 この原因は、ひとつのアクションやひとつのシーンを多数のコマに分割して表現する日本マンガの手法にあります。ピッチャーが球を投げてからキャッチャーに届くまで、バッターは目を光らせて打とうとしてる、観客はかたずをのんで見守ってる、アナウンサーは叫ぶ、解説者はえんえんとしゃべる、数十コマで数ページ、さらに大きなコマ使ってりゃ、長くなるのもあたりまえです。 マンガでワンシーンを多数のコマに分割して表現する手法は、映画をまねて始まったと言われており、映画的手法と称されます。これこそ、日本マンガの表現が海外マンガのそれに対する大きなアドバンテージとなっている部分です。 その開祖は手塚治虫=『新宝島』である