少し前までのお笑い界は高齢化が叫ばれていて、若い芸人はなかなか世に出てこられない状態が続いていた。だが、第七世代ブームによってその状況は一変。いまや第七世代がバラエティ界における1つの勢力となっている。 そんなお笑い界における第一世代として必ず名が挙がる芸人といえば「ザ・ドリフターズ」ではないだろうか。彼らが残した功績、そしてメンバーの入れ替わりで新たに加入した志村けんに伝えられたものとは……。お笑い評論家のラリー遠田氏の新刊『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社)を引用し、ドリフがお笑い界に与えた影響について紹介する。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ 5人のキャラが確立された ドリフがポスト・クレージーキャッツと呼ばれながらも、クレージーキャッツとは違う形の笑いを確立する最初のきっかけになったのは荒井注だった。 いかりや長介が寄せ集めたメンバーの1人だった荒井は、ピアニ