佐伯啓思の異論のススメ スペシャル 少し大きな書店に入ってみると「民主主義」についての書物が並んでいる。しかもその大半が「民主主義の危機」や「民主主義の崩壊」を訴えるものだ。むろん「今こそ民主主義を見直す」式の書物も積まれているが、こちらの方は少し分が悪いようだ。いずれにせよ、この21世紀に改めて「民主主義」が論じるべきテーマとなっていること自体が興味深い。 11月の米国の中間選挙においてもバイデンの民主党は「民主主義を守れ」を争点に掲げた。これは、2年前の大統領選挙の結果をいまだに承認しようとしないトランプ派への牽制(けんせい)であり、選挙結果をみれば、このキャンペーンは一定の成果をあげたようである。とはいえ、何があっても「自由と民主主義」という国是だけは決して揺るがないはずの米国で、「民主主義を守れ」が選挙の争点に掲げられることはやはり異例である。 さえき・けいし 1949年生まれ。京
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