新型「プリウス」などの大規模リコール(回収・無償修理)問題が、トヨタグループを大きく揺るがしている。だが、ハイブリッドカー(HV)が今後の屋台骨であることは変わりない。リコール騒動にかき消されがちだが、その生命線となるレアメタル(希少金属)の独自調達の動きは要注目である。同グループは、生産が中国や南米に偏り、将来的な供給不足が指摘されるリチウムやレアアース(希土類)の安定的な調達ルートを確保しようと、権益投資に乗り出しているのだ。 今年1月、トヨタグループの総合商社である豊田通商は南米アルゼンチンで、HVや電気自動車の電池に使用されるリチウムの資源開発に参画することを決めた。開発するのはチリとの国境に近いアルゼンチン北西部のオラロス塩湖。2012年にも生産を始め、2014年には炭酸リチウムを年間に1万5000トン、エコカーのリチウム電池に換算して300万台分の生産を目指すという。国内企業に