「流体とは」編では、流体を扱うには、その液の粘度を知ることが大切であることを、「流体の種類」編では、液には粘度が一定であるニュートン流体やずり速度によって粘度が異なる非ニュートン流体があることを説明しました。今回は、液の温度によって粘度が変わることについて、説明したいと思います。 温度の変化と粘度の変化を見てみよう 一般的な液体は、温度が1度上昇すると粘度が数~10%減少するといわれています。 下図は自動車の車体工程で使用されている接着剤を、あるずり速度において温度変化させた場合の粘度のグラフですが、温度が273K(0℃)から323K(50℃)と50度上昇するだけで、粘度は1/4になります。 このように、高粘度流体の場合、温度変化に対して大きく粘度が変化する傾向が見られます。 粘度が変化する原因は? 温度上昇によって粘度が変化する理由についてですが、「液体の粘性は分子間の引き合う力」による