官も民も隠すのがお好きなようだ。放射性物質の拡散を予測する国の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で、福島第1原発事故後に2000枚以上の拡散試算図が作成されていたことが分かった。 原発事故時の避難対策に活用するはずなのに、所管する原子力安全委員会が公表したのはわずか2枚だけ。国の情報発信のお粗末さが浮き彫りになった形で、海外から情報公開が不十分だと批判されても仕方ない。 SPEEDIは開発、運用には約128億円の予算が投じられたが“本番”でほとんど使われず、拡散試算図が公表されたのは、3月23日と4月11日の2回だけ。しかも避難や屋内退避の区域が設定されたり、農産物の出荷制限がなされたりした後だった。 しかし、実際にはSPEEDIは風向、降雨といった気象や放射性物質の放出量など仮定の条件に基づいた試算を繰り返している。事故直後から1時間ごとに、その時点で