『新世紀エヴァンゲリオン』については、放映開始前からのお付き合いだ。GAINAXで『逆シャア』の同人誌を作りながら庵野秀明監督が作業をするのを脇に見て、へえ、次はロボットものをやるんだ、なんて思っていた。庵野さん自身も覚えていないだろうけど、制作準備中に「小黒君、脚本を書きたいなら書かせてあげるよ」と云ってもらったのだが、勿体ない事に「お手伝いはしてもいいですけれど、脚本はちょっと……」とお断りしてしまった。庵野さんの作品に対する本気っぷりは知っていたので、自分ではついていけないだろうと判断したのだ。事実、放映が始まり、作品のテンションがビンビンに上がっていくのを観て、ああ、脚本を断ってよかったと何度も思った。脚本は書かなかったけれど、結局『エヴァ』には深く関わる事になる。 最初の数話は、アフレコを見学に行った。資料に依れば「第壱話 使徒、襲来」のアフレコが行われたのが1995年3月27日